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【卒業生インタビュー 古都 こいと 先生】

鍼灸学科の卒業生で、鍼灸師として活躍しながら小説も執筆している古都 こいと先生のインタビューをお届けいたします!
〇鍼灸師が登場する物語
新宿医療専門学校に入学する前、大学では文学について学んでいました。その経験を活かし、新宿医療専門学校に在学中から本の執筆活動を行っていました。
『きさらぎさんちは今日もお天気』(出版社:Gakken)では、小学生の主人公のお父さんが鍼灸師として登場しますが、鍼灸師が登場する物語は多くありません。登場人物の一人として鍼灸師を描くことで、間接的に鍼灸の魅力を伝えています。
誰にでも子供だった時代がありますが、現代の子供たちの方が生きづらさを抱えているのでは?と思いました。そのため、主人公は小学生で、登場人物のほとんども主人公の兄弟や小学校の友達です。子供から大人まで、誰もが少しでも生きやすくなるヒントになればと思い、「鍼灸」と「ツボ」を題材にした物語を描きました。
本の中には素敵なイラストも添えられ、物語に彩りを加えていただきました。

〇新宿医療専門学校での学び
新宿医療専門学校での3年間はとても濃い時間を過ごせました。
特に実技に関しては、手洗いや消毒の仕方など、一見当たり前に思えるようなことも細かく指導していただきました。また、丁寧なタオルワークなど、患者様への気遣いや心遣い、医療人としての基礎からしっかり学ぶことができたのが大きな経験です。
実技の授業では、最初は練習器に鍼を刺す練習をし、次に自分自身の身体へ、最終的にはクラスメイトの身体に刺すことで、刺入力を鍛えます。3年間で培った技術で卒業後は即戦力として活躍できました。
また、先生方の施術を間近で見学できる臨床実習は、教科書だけでは得られないリアルな学びの場でした。卒業時には施術のプランニングや、症状の発生機序などが説明できるようになり、実践的な知識や技術を学ぶことのできる環境は新宿医療専門学校の大きな強みだと思います。
放課後の自主練習も活発で、先生方や先輩方から直接指導を受けられる機会が多くありました。

〇鍼灸師としての働き方
現在はグループ院の鍼灸整骨院の本院に勤めています。患者様の症状をお聞きし、お身体の状態に合った施術を提案しています。
入社1年目には会社の美容鍼のメニューを作成しました。その際に参考にしたのは在学中に参加していた美容鍼灸クラブで学んだ技術です。美容鍼はお顔の悩みを解決するだけでなく、心身ともに支えられる技術だと思います。なぜなら、お顔の悩みを解決することで、気持ちも上がるからです。
私は社会人を経て新宿医療専門学校に入学しましたが、社会人として大切な人間性も3年間の学生生活で鍛えてもらいました。「鍼灸師は患者様の命を支えることもできれば、一歩間違えれば命を奪うこともできてしまう」という、初めての鍼実技の授業で聞いたこの言葉は、今もなお、患者様と向き合うときに忘れずにいる言葉です。「慣れ」で施術をしてはいけないと思い続けられるのは、新宿医療専門学校で患者様との向き合い方や、命と向き合う緊張感や厳しさ教えてもらえたからです。
これからも鍼灸師として、患者様一人ひとりと真摯に向き合い、東洋医学の叡智を活かしながら、現代社会でどのように役立てていくかを考え、実践していきたいです。

〇『きさらぎさんちは今日もお天気』(出版社:Gakken)を読んだ感想
主人公は小学6年生の如月 青葉(きさらぎ あおば)くん。鍼灸師のお父さんと2人の弟と4人で暮らしています。登場人物は皆それぞれ悩みや不安を抱えており、その不安に寄り添う手段の一つとして「ツボ」が用いられていることが新鮮でした。イラストでツボの場所や効果も紹介されています。
物語の中にもあるように、東洋医学には「心と身体はつながっている」という考え方があります。これを「心身一如(しんしんいちにょ)」といい、作中ではいくつかのツボを使って、登場人物たちの心と身体の悩みを和らげていきます。ほとんどの登場人物は小学生ですが、大人が読んでも不思議と感情移入ができ、心が温かくなりました。
人生は楽しいことばかりではなく、時にはつらいこともあるでしょう。そんな時に、「ツボ」や「鍼灸」が人々に、そっとやさしく寄り添える存在であれば良いなと思いました。
このような温かい気持ちになれる『きさらぎさんちは今日もお天気』を、皆さんも是非一度お手に取ってみてください。
【広報部Kさん】
